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zoom RSS 「釜石のお寺『天台宗寺門派 大天山 観音寺』」 再録

<<   作成日時 : 2009/10/26 13:41   >>

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 釜石には、天台宗寺門派 大天山 観音寺というお寺があります。そこには、同じ敷地に天台宗寺門派 広厳山医王寺があります。天台宗寺門派 大天山 観音寺は、大正5年に今の地に移転し、中妻町板ヶ沢の地は、現・釜石製鉄所楽山荘となっております。
 さて、この天台宗寺門派とは、滋賀県大津市、琵琶湖南西の長等山中腹に広大な敷地を有する三井寺(みいでら)は正式名称を長等山園城寺(ながらさんおんじょうじ)を本山とします。天台宗は、貞観年間(859〜877)になって、智証大師円珍(ちしょうだいしえんちん)和尚死後、円珍門流と慈覚大師円仁門流の対立が激化し、正暦四年(993)、円珍門下は比叡山を下り一斉に三井寺に入り、この時から延暦寺を山門、三井寺を寺門と称し天台宗は二分されました。
 この天台宗寺門派 大天山 観音寺には、全国的に名を知られた3人の住職が居られました。 “敬天律師和尚”と “仙岳堂鳳山和尚”と “板沢武雄和尚”です。 
 “敬天律師和尚”は、江戸時代後期の復古天台四侍者のひとりであり、釜石に帰郷後は、廃絶になっていた天台宗寺門派 広厳山 医王寺を再建し、医王寺敷地内で生き往生した和尚でした。敬天は、幼くして親と死別し祖母に育てられました。敬天は、14歳のとき、天台宗寺門派の総本山・園城寺(三井寺)に上がり、28年間に間も難行苦行をし、師匠は、天台宗“中興の素”だった“敬光”でした。当時、天台宗は、教義をめぐって“安楽騒動”という大論争をしていました。敬天は、復古天台四侍者と言われた、日本仏教史に名をのこした人でした。しかし、師敬光が園城寺を後にたし際に、釜石に帰郷しました。帰郷した敬天は、天台宗寺門派 広厳山 医王寺を再建します。その敬天は、近江八景になぞらえて、江戸後期の釜石の美景を“釜石八景”を選びました。敬天は、常に不浄観を念じていましたが、37日間入管して文化14年(1818年)に生き往生した和尚でした。
 天台宗寺門派 大天山 観音寺の第14世の仙岳堂鳳山(せんがくどうほうざん)は、奥州でも有名な書家でした。仙岳堂鳳山は、京都の聖護院などで、勉学・修行をして、書を極めました。奥州の書の大過の鳳山は、南部藩のお寺・観音寺の住職ですが、お隣の伊達藩からもひいきにされていました。伊達家の姫が病気になり、その祈願として塩釜神社に大幟を奉納する際、大幟に筆を下ろす大過が見つからず、鳳山に依頼したことがありました。その大幟を奉納後。姫の病気が治ったことから、伊達家は、お礼として庭師を釜石に派遣したのでした。庭師は、観音寺があった中妻町板ヶ沢の地に庭を造作したのでした。その後、この観音寺は、大正5年に落山荘として製鉄所所有となりました。今でも釜石の旧家では、鳳山の書が数多く残っていると言います。
 “かわりゆく我ふる里のふるごとを 伝えおかねばや後の世のため” 薬師公園の石に刻まれたこの短歌は、観音寺18世住職であった板沢武雄和尚のものです。板沢武雄は、明治28年1月5日に、釜石町中妻・板の沢の観音寺で生まれました。釜石尋常高等小学校を2年から4年に進級するくらい優秀でした。その後、県立遠野中学校に入学し、人類学者の伊能嘉矩に学びます。そして、仙台の第二高等学校を経て、大正5年に、東京帝国大学文科大学史学科に進学します。卒業後、宮内省図書館に勤務後、学習院の講師になり、この間、東京帝国大学大学院にも学び、学習院の教授なります。蘭学史に関する研究重ね、日本歴史学会会員としても活躍しました。その後、東京帝国大学文学部や日本大学文学部の講師や教授をします。また、板沢武雄は、昭和天皇の「日本史」の先生だったといいます。昭和20年に日本は敗戦します。しかし、GHQの政策の中で、板沢武雄は、教職追放され、郷土釜石に帰ってきます。この時期、釜石には、レットパージで故郷に帰ってきたきたジャーナリストが居ました。後に、共産党釜石市長となった、鈴木東民です。その板沢武雄は、観音寺18世住職になりました。釜石では、観音寺の復興他に、郷土史研究に力を入れ、『観音寺土曜会』を主宰し、若者を中心に日本史講座を開催し、『釜石郷土文化資料』を刊行し、『釜石市誌・史料編』を第3巻まで刊行します。その後、昭和26年に教職追放が解かれ、法政大学文学部教授に就任し、日本歴史地理学会会長となります。板沢武雄は、昭和37年7月15日に、東京・杉並区の自宅で生涯を閉じます。
 天台宗寺門派 大天山 観音寺は、今では檀家も少ない小さなお寺でが、釜石の歴史にとって忘れられない軌跡を残したお寺です。

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